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2024.09.17

「千年先まで荘内半島を残したい」オリーブ×コテージで、人も自然も生き続ける地域づくり【認定品生産者|合同会社荘内半島オリーブ農園】

豊かな自然と瀬戸内の美観を一度に味わえる場所として長く人々に愛されてきた、三豊市・荘内半島。時代は流れ、高齢化や過疎化の影響で、この地域と環境を後世へつないでいく担い手不足が課題となっています。美しい荘内半島を千年先まで残したい。そんな想いを持ち、2014年、詫間町に合同会社荘内半島オリーブ農園が誕生しました。

700本のオリーブに願いを込めて

荘内半島は、瀬戸内海に突き出た西讃の半島。桜やあじさいの名所「紫雲出山(しうでやま)」や名産・マーガレットが楽しめる「フラワーパーク浦島」、瀬戸内に沈む夕日など、美しい自然を間近に感じられる地域です。同時に、市街地からも離れており傾斜が激しく、高齢化や過疎化が顕著なエリアでもあります。

荘内半島オリーブ農園のはじまりは、「美しい荘内半島を千年先まで残したい」と願った先代社長により、“千年樹”とも呼ばれるオリーブ700本が定植されたことでした。

「かつて唐辛子や除虫菊が栽培されていた農地が、時代の流れで耕作放棄され、荒れかけていました。オリーブの定植には、この地の再生はもちろん、『時代を超えて長く取り組める事業をつくる』という目的もありました」(スタッフ・佐伯さん)

先代の想いを受け継ぎ、2021年には未来を見据え、環境にも人にも優しい農業の追求を決意。農薬・化学肥料を使用せず、害虫は手作業で取り除くなど、難易度の高い栽培方法にチャレンジしています。
海辺の農園で育ったオリーブの木

全国から集まる担い手たち

オリーブ栽培で最も人手を要するのは、10月頃の収穫期。傾斜に脚立を立てて行う収穫作業に対して、近隣から十分な人手を確保することは、困難を極めていました。その解決策として始めたのが、併設する貸コテージに宿泊しながらオリーブを収穫できる「住み込みアルバイト」です。

貸コテージ「縹茫(ヒョウボウ)A棟」は、普段は宿泊施設として運営しており、対岸の岡山県や瀬戸内の島々を一望することができる絶景が人気です。アルバイトでは、約40日間ここに住み込み、収穫の仕事をしながら、希望に応じてオリーブ栽培、経営、地方移住、地域創生などのお話を聞いたり体験したりできます。

「ある年、香川移住を検討している方が参加しました。その方は、アルバイト期間中に空いた時間で香川を探索し、収穫が終わる頃には県内で定職を見つけ、その翌月には香川移住を実現されました。オリーブ収穫をきっかけに新しい暮らしを始めるお手伝いができたことを、とても嬉しく思います」

毎年収穫の時期には、このアルバイトの利用者を含め、関東や九州などから20〜30代を中心に10数名が荘内半島へ訪れるようになりました。

「ただ収穫作業をするだけでなく、地域の方々との交流など、住み込みだからこそ体感できることもたくさんあります。『来年もまた来たい』というアルバイトの方も多く、今後は受け入れ人数を増やしていきたいと考えています」

ただ自然を残すだけではなく、この地で人が生き続けることも、「美しい荘内半島を千年先まで残す」ためには欠かせません。オリーブと宿泊体験を掛けあわせることで、人と自然、人と地域のつながりが、連鎖的に生まれています。
貸コテージ「縹茫(ヒョウボウ)」テラスから見える景色
全国から集まった担い手たちにより、丁寧に手摘みされている

国産・農薬不使用のオリーブ製品

こうした想いや工夫が実り、現在では瀬戸内の潮風と太陽をたっぷり浴びて育ったオリーブを毎年収穫できるようになりました。

看板商品は、「エキストラバージンオリーブオイル」です。
特徴は、酸度と風味。キズをつけないように丁寧に手摘みされたオリーブの実を、収穫後すぐ園内の搾油室で絞ることで、エキストラバージンオリーブオイルの酸度基準0.8%を大きく下回る0.1%の鮮度の高いオイルに仕上げました。
品種によって異なる香りや風味があり、辛みのある「ミッション種」はお肉と、フルーティでさわやかな「ルッカ種」は白身魚、パンやチーズと相性抜群。オイルは加熱せずそのまま回しかけて食べるのがおすすめです。
エキストラバージンオリーブオイル
荘内半島オリーブ農園では、実だけでなく、通常は捨てられてしまう葉も活用しています。「オリーブリーフティー」は、農薬を使わずに栽培した自社産オリーブ葉を100%使用した、サステナブルなオリーブ茶です。すっきりとした香りが特徴で、ポリフェノール由来の軽い苦味が後から感じられます。中華料理やお肉料理など、脂っこい食事も、すっきりと楽しむことができます。また、カフェインを含まないため、習慣的に飲んだり、寝る前に飲んだりしても安心です。
オリーブリーフティー

荘内半島オリーブ農園のめざす未来

2024年で10周年を迎えた、荘内半島オリーブ農園。千年先を見据えた今後の展望についてうかがいました。

今後は古民家やゲストハウスと協働し、より多くの方々に瀬戸内暮らしとオリーブ栽培を体験いただける環境づくりを進めます。また、今は捨てられてしまっているオリーブの枝を、堆肥や燃料、建築資材として活用するなど、循環型農業を進めていきます。『千年先まで美しい荘内半島を残す』という目標に向けて、一歩ずつ進んでいきたいと思います」

人と自然が永く生かしあう地域づくりをめざす取り組みは、着々と進んでいます。社会的・環境的価値の高い取組を実践している生産者が生んだ地域産品をチョイスすることは、地域の個性を愛し、農畜水産の未来をつくる一助となります。応援していただける方は、ぜひ荘内半島オリーブ農園の商品をチェックしてみてください。

三豊市は、「エキストラバージンオリーブオイル」「オリーブリーフティー」を三豊市の地域産品「みとよのみ」に認定し、その農畜水産の未来をつくる社会的・環境的価値のある取組を応援しています。

【商品情報】

エキストラバージンオイル
農薬を使わず、人の目と手で丁寧に栽培。
瀬戸内の太陽と海風を受けた、香り高いフレッシュなオリーブオイル

瀬戸内・香川県三豊市の荘内半島で、農薬を使わずに栽培したオリーブを100%使用したエキストラバージンオリーブオイルです。
キズがつかないよう、一つひとつ手作業で収穫したオリーブの実を、園内ですぐに搾油。一般のエキストラバージンの規格よりもさらに鮮度の高いオイルに仕上げています。
辛みのある「ミッション種」はお肉と、フルーティでさわやかな「ルッカ種」は白身魚、パンやチーズと相性がよく、オイルは加熱せずそのまま回しかけて食べるのがおすすめです。

認定品ページを見る

オリーブリーフティー
農薬を使わず、瀬戸内の太陽と海風を受けたオリーブ葉を100%使用。
すっきりとした香りのノンカフェインティー

瀬戸内・香川県三豊市の荘内半島で、農薬を使わずに栽培したオリーブ葉を100%使用したオリーブ茶です。
すっきりとした香りが特徴で、ポリフェノール由来の軽い苦味が後から感じられます。中華料理やお肉料理など、脂っこい食事も、すっきりと楽しむことができます。
また、カフェインを含まないため、習慣的に飲んだり、寝る前に飲んだりしても安心です。
日々の健康維持や、瀬戸内のお土産などにおすすめです。

認定品ページを見る

販売場所
公式オンラインストア
百歳書店(三豊市仁尾町父母ヶ浜)
栗林庵(高松市栗林公園内)
高松空港 四国空市場YOSORA(高松市香南町)
TAKAMATSU ORNE(高松市浜ノ町)

生産者情報

生産者

合同会社荘内半島オリーブ農園

エリア

詫間町

手がけるみのり

オリーブ

解決課題

耕作放棄地解消、循環型農業、担い手確保

所在地

〒769-1105 香川県三豊市詫間町積992

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みとよのみ広報
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